移ろいでいく景色が
楽しくなっていった

風景写真家になった経緯

きっかけは特にないんですよ。専門学生時代は、昆虫写真に夢中になってよくマクロレンズとかで撮影していたので風景のような広いものに目がいくというタイプではありませんでした。風見先生(注:山岳写真家 風見武秀氏。佐藤先生が師事していた。)のところへ勤めるようになるんですが、最初の頃は営業マンをしていたんです。けれど、僕が専門出だから君も写真撮りたいだろ、と風見先生が気づいてくれて先生の助手として全国津々浦々、海外へも運転手や荷物持ち山の上から里までも付いて行って写真を教わってきました。

そんな中、事務所には先生を慕って出入りする写真家さんがいっぱいいてその人達のほとんどが風景写真を職業にしていたんですよ。時はバブル経済、皆さ結構いい額稼いでいて風景写真で儲かるのかと思って、毎週休みの度に地元に戻っては風景を撮るようになったんです。それをしている中で同じ場所で写した写真なのに、どんどん景色が移ろいでいくのが楽しくなっている自分がいて、風景って奥深いなと感じて、そこから将来はこの仕事がどうやら儲かりそうだ。ということと、風景のオモシロさを知り6年間務めた後、フリーの風景写真家へ転身しました。

フリーになると決めたとき先輩や知人から後押ししてもらって、シノゴで始めたんですが、三脚からカメラからホルダーまで一切を譲ってもらいまして、本当にラッキーだったと感じます。
さらにバブル期の最終列車に乗れたことは、とても運が良かったと思います。

撮影スタンスのきっかけ

昔は、福井県の山間部で暮らしていたので、虫は友達という感じで、よくイモリなんかを捕まえてみたりしていましたね。そんな幼少の記憶が、いまの原風景を撮る。というスタンスに影響を与えたのかもしれないですね。

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