「発表するんだ」という
強い気持ちをもって

苦労話

なにが苦しかったか。ストックフォトという業界に長く居て、永遠にそれが続くと思っていたら、続かなかった。その時、意を決して転換してみたんですね。決してその業界を否定しているわけではないんですが、写真業界という括りそのものが変化してきて、これからどうなっていくんだろうということが一番不安に思いましたね。

どうやって食べていけばいいのかって。転換したことが思いっきりきつかったですが、今では転換して良かったなと感じています。一番わかりやすく言えば、フィルムからデジタルに変わった時ですね。その瞬間、写真家さんの技術力が不要になってしまったわけです。様々な技術が要らなくなってしまったようなものですからね。

学生に向けてアドバイス

ぼくは30年フリーでやってきていて、本をつくったり、写真展をやりました。その節目として、本をまとめたり、写真展を開催したということは、とても自分の為になりました。それは、きっと学生さんにも同じことが言えると思うので、学生である間になにか自分ひとりであったり、グループででも発表の機会を設けて「発表するんだ」という強い気持ちをもって作品の制作活動に励んでもらえれば嬉しいと思います。

発表という機会は、その時にしかできないことなので、是非、小さくてもいいから、どこかでやってみる。その時に、学生ならではのオモシロい発想で、集客方法であったり、展示方法であったり考えてみると、とても良い経験になると思います。今だからこそできること、今の全力を発表の場で表現してみたらとどうかなと。そうでなくても、日頃からベストな写真が撮れたら、友達同士で見せ合って激論してみたりだとか、見せ合うという行程が大事だと思います。

佐藤先生、ありがとうございました!

  • 執筆|浅見
  • 撮影|前田
  • 編集|小柴