自分のテーマを
持つことが大事

撮影は事前に決めたポイントを
巡っているのか

47都道府県を撮りたい。全国を見たい。いろんな人に逢いたい。その思いで全国を駆け巡っているので、いつも埼玉であったり、新潟を撮るということはしないタイプです。しかも、いっかい撮ったところは、どんなに雲海や朝日が綺麗であったとしても、数年前に撮った場所には行かないというスタンスでやっています。そうでないと全国なんてまわりきれませんからね。なので、今年は九州のほうへ行ってみよう。来年は北海道へ行ってみようという具合で巡っています。例えば九州であれば、有名観光地をポイントとして何ヵ所か候補地を出しておいてまわります。あとは、天気の都合だとか、お花の状況だとかに合わせて気紛れで車で移動しています。

 被写体を探すうえで、重要なことは、人真似になってしまうのですが、「一日一○○」とかを設けて、自分の中にテーマを持っておくことが大事だと思います。例えば、一日一軽トラとかね。さらにもっと重要なことは、気に入ったニオイ。気に入った雰囲気の場所を見つけたときには、車を停めて、歩きます。歩くことで、人を見つけます。人を見つけて話をすることで、近くに花が咲いていることを知ったりすることができるんです。徐々に自分のカラダがその土地に馴染んでいって、それからその土地の風景が見えてくるんです。

パッと見つけて、パッと撮る。のではなく、じっくりその空間(土地)にいること、空の青さを感じたりすることができてくるわけですね。若いときは、とにかく撮るぞ!という焦ってやっていたのですが、今では、とりあえず車を降りてじーっと空を眺めたり、とりあえずゆっくりして落ち着いて臨むようにしています。でもって、撮れなければ、また車を走らせる。とにかく走り過ぎない。歩く、空気を吸う。という感じで景色に出会うようにしています。そうすると自然と向こうから、寄ってきてくれるように思います。なので、あそこのポイントで絶対に撮ってやると粘ってする。ということはしませんね。

以前、「47 ぼくのより道」という写真展をやったのですが、まさに寄り道をしながら全国を巡っています。なので大まかにAポイントBポイントと決めますが、その間の道中はどうやって行くかは決めておらず、その日まかせで動いています。

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